ぱのこめの生活

20代のゲイ。主に、日々の生活や趣味などについて書きます。

元彼と2年半ぶりに会った

どうも、ぱのこめです。

昨日、元彼と久しぶりに会って食事をしてきました。今日はその感想を書きたいと思います。

 

 

◎元彼との交際について

元彼と出会ったのは大学1年生の4月末に、某セクシュアルマイノリティサークルの説明会へ行った時でした。たまたま彼が隣の席に座っていて、かわいいなって思ったからそこそこ積極的に話しかけた覚えがあります笑

その後はサークルのイベントに一緒に行ったり、サークル外でも一緒にご飯とか映画に行くようになり、大学1年の6月から付き合い始めました。

その時の彼は大学院1年生で自分の4つ上でした。大学に入学したてだった自分はそんな彼がすごく大人に見えて、結構頼ったり、甘えたりしていました。あとは、(ほぼ)初めての彼氏ということで少し浮かれていた部分もありました笑

 

付き合い始めてからは、定期的にデートをしたり長期休みには旅行に行ったりして、結構順調な交際をしていました。

でも、私が大学1年生で時間を持て余しているのに対して、彼は大学院生で授業や研究が忙しそうだったので、そこの生活のズレや意識のズレのようなものがありました。

特に、冬に入って彼の就活が本格化してからはそれが顕著になりました。私は時間があって会いたいけど、彼は他にやることがあって会えないみたいなことが増えてきました。でも、私は彼の忙しさをあまり理解できていなかったので、高頻度でLINEしたりして結構負担をかけてしまっていたような気がします。

また、彼は一緒に入っていたセクマイサークルを辞めて、ゲイのバドミントンサークルに入ったのもズレを生んだ原因の一つな気がします。休みの日もお互いがそれぞれのサークルに行って、会う時間も以前よりは短くなっていました。

 

そんな状況でも自分は今まで通り彼のことが好きで、彼と会ったりLINEしたりする時もそんなに変わったことは無かった(と俺は思っていた)ので、今まで通り順調な関係だと思っていました。

しかし、大学2年の4月に突然会う頻度を減らしたいと言われ、それに戸惑っているうちに5月になり、「重い、負担になった」みたいな理由でそのまま振られて交際が終了するのであった....。

ちなみに、LINEで一方的に振られたので、流石に一回直接会って話す機会を作ったのですが、自分が途中から泣いちゃって、なんか微妙な感じの最後になってしまいました...(完)

 

◎2年半ぶりに会った感想

そんな別れをしてからもう2年半(正確には2年4ヶ月くらい)も経ったのですが、正直私はその別れをずっと引きずっていました。

そもそも、別に喧嘩で関係性が悪くなったわけでもなく、普通に私は彼を好きな状態で一方的に振られたのです。だから私が彼を嫌いになることもなく、というかそれから会ってないから嫌いになるキッカケもなくて、なんとなく付き合ったままの好感度を維持し続けて今まで生きてきました。

私個人としては好きな人orセックスする人は同時期に複数人居ても、付き合うのが1人なら別にいいんじゃない?って思考で、今の恋人もそんな感じなので、元彼への気持ちも宙ぶらりんのまま今まできました。

 

じゃあなんでこのタイミングで会ったのかというと、実は必然性は全然ありません笑 ただ、スマホの写真を整理していた時に元彼の写真が出てきて、懐かしいなーって思って連絡したって感じです。

別れた当時(というか去年くらいまで)は連絡したくても何となく怖くて出来なかったのですが、今回はなんかスルッとLINEを送ることが出来ました。

 

そんな感じで約束を取り付けて、昨日久しぶりに会って食事をしてきました。

久しぶりに見た彼は社会人になっていて、仕事帰りということもあってスーツを着ていたので、当時よりは大人っぽくなっていたように感じました。

最初会った時はお互い変に緊張していて、2年半の空白を手探りで埋めていく感じだったのですが、お店に入ってから30分もしたら雰囲気も良くなってきて、付き合ってた時のご飯っていつもこんな感じだったなぁって思い出しました。

内容としては、近況報告をした後に会ってなかった期間に何していたかとか、何か変化したことはないかみたいな話をしました。

個人的には「何が重かったのか、どうすれば振られなかったのか」みたいな話を聞きたかったのですが、なんかその時期のことは話したくなさどうだったので聞けませんでした。

 

会話としては割と無難な感じで、でも楽しい時間を過ごせて良かったなって思います。大人っぽくなって魅力がさらに増した元彼を見るのは少し辛いものがありましたが、向こうも自分に対して同じようなことを思ってくれていたら、まあ嬉しいなって思います。

最初に言った通り、振られてからもずっと元彼が好きみたいな状態が続いてて、もやっとしていました。会ってみてそれが無くなるかなって思っていたのですが、結局それは解消しませんでした笑

多分、今でももし私に恋人がいなくて彼から告られたら付き合っちゃいそうだし、セックスとか誘われたらホイホイついて行っちゃいそうな気はします。

でも、なんとなーく気持ちの整理は出来たかなって気はするので、久しぶりに会ってみて良かったなって思います。1年近く付き合っていただけあって、食事しながら話したりってのは結構心地よく出来たので、定期的にご飯とか誘って行きたいなーって思います。

 

 

以上、元彼と2年半振りに会った話でした。

 

喧嘩別れじゃない限り、振られる側は心の準備が出来ていないタイミングで振られることが多くて、その結果結構引きずりやすくなっちゃう気がします。

そういう場合、自分は期間が空いた後に元彼と会って気持ちの整理するパターンが多いのですが、その方法だと会うまでの期間に精神状態が悪くなってしまいます。

どうやって乗り越えていくのが良いんでしょうかね?何か良いアイデアあったら教えて下さい笑

 

あと、私はいつも振られる側なので振る側の気持ちってものが全然分からないのですが、振る側も精神削ってるんですかね?

まだまだ世の中には私の分からないことがいっぱいあります....これからも精進していきたいです。

 

それでは、また。

セックスレスで悩んでいる

お久しぶりです、ぱのこめです。

半月ぶりの更新がこんな内容で申し訳ないのですが、今日はセックスレスについて思うことをグダグダと書きたいと思います。

以下の文章は性的な内容を含むので、苦手な方は読まないでください。

 

 

今の恋人とは2年3ヶ月ほど付き合っているのですが、最近3ヶ月ほどセックスレスになっていて、結構悩んでいます。

※ここで言う「セックス」とは「性器挿入行為」を指します。

「結婚して子供が出来てからセックスレスです」みたいな夫婦の話とか、ゲイカップルでも「付き合って半年くらい経ったら恋人同士でセックスしなくなる」みたいな話はよく聞いていたのですが、全然実感は無かったし、まさか自分たちがそうなるとは思っていませんでした。

特に自分たちの場合は、私はセックスを求めているのに、相手はしたくないという状況が、なかなか精神的に辛いなぁって思います。

 

ただし、相手がセックスに対して後ろ向きになった原因は自分にもあるので、彼だけを責めることは出来ません。

実は、数ヶ月前の行為中に相手のお尻が切れてしまって、それがなかなか悲惨なことになってしまい、トラウマになってしまって挿入に恐怖心的なものを抱いているみたいなのです。

もともと私(タチ)の性器が大きめで相手(ウケ)に負担をかけていた自覚はあるのですが、私はほとんどウケをしたことがないので彼の具体的な辛さは分からず、「そうは言っても、まあ大丈夫でしょう笑」くらいに軽く思っていました。

あと、今までも切れること自体は何回もあったので、「まあ、また期間をおいてちゃんと治せば平気だろう」くらいに思っていました。

ですが、相手にとってはやはりセックス自体がある程度の負担になっていたようで、それがこのケガによって顕在化した形になりました。

 

お尻のケガ自体はもうとっくに治っていて大丈夫だと言っているのですが、挿入するのはまだ怖いみたいです。流石に怖いって言ってる人には強要出来ないので、セックスはお預けとなっています。

ですが、自分は恋人とセックスしたいと思っていますし、恋人の方も克服したいと言ってくれているので、拡張用のディルド的な物を買って、日頃から慣らしていこうみたいな話になりました。

その話がまとまった時は、そのまま解決に向かって以前通りセックスできると思っていたのですが、結局彼は平日に慣らしたりはしていなくて、最近もまだセックスはお預けになったままです。弁明すると、彼も仕事が忙しかったりして暇がなかったり疲れていたりと、しょうがない部分も多くあります。

 

 

ここまで聞くと、私のことを「恋人に対してセックスしか求めていないセックス大好きマシーン」みたいに思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません!笑

恋人関係はセックスだけじゃないって言う主張はめちゃくちゃ分かります。実際私たちの関係も、見た目とか身体とかセックスとかでつながっているとは全く思いません。

それに私たちの場合は、挿入行為はしていなくてもバニラセックス (ペッティング)はしているので、「恋人との性接触がゼロになって辛い。。」みたいな話ではないのです。

 

ですが、私個人としては、やっぱり恋人とはセックスしたいなーって思います。別にセックスだけが欲しいんじゃなくて、精神的な繋がりとか愛情とか諸々を得た上で、さらに欲張ってセックスも得たいって感じですかね。

そう思う一方で、自分が原因で相手に負担を強いてしまうということは分かるので、あまり強く求めることは出来ないってのが現状です。普通のカップルだと日常的に慣らさないとみたいなこともあまり無いのかもしれませんし。

 

でも、めっちゃしたい!って思いは変わらないので、そこのジレンマというか、葛藤的なもので最近はうーんってなっています。別に日常的に悩んでいるとか、そんなことは全くないですけど笑

あとは、多分今日も断られるだろうなーって分かっている状態で「今日セックスしたいんだけどどう?」って聞いて、結局断られるってのが地味に傷つくってくらいですかね。もちろんこれからも毎回根気強く聞いていく気ではありますが!笑

 

今のところ、解決策としては2つあるかなーって思ってます。

1つ目が、恋人をその気にさせてなんとかセックスするって方法です。

もし恐怖心だけが問題なら、一回だけ頑張ってもらってそこで成功できたら解決するんじゃないかなって、少し甘い考えでいます。

でも、セックスって日頃からの慣らしを除いたとしても色々事前の準備が必要ですし、もし相手がバニラセックスで満足してるって感じなら求めるのは少し申し訳ないかなーって思っちゃったりします。

特に自分はタチなので相手と比べてほとんど準備が必要ないっていう非対称性も申し訳なさの源泉になっているような気がします。

あとは、ただ単に私とのセックス が飽きた or 乗り気じゃないってパターンの場合はどうしようもない気がしますね...。その場合は、本格的に解決策2を導入することになってしまうと思います。

 

2つ目が、ほかに身体の相性が良い人を見つけてセフレにするって方法です。

私たちはオープンリレーションシップ的な恋人関係で、他の人と性的接触をしても報告すれば自由って形にしています。

実際、恋人にも「自分のせいで我慢させるのは申し訳ないから、もしセックスしたいなら外でやってきてもいいよ」って言われています。

実際、その方法もちょっとは考えたのですが、新しい人と一から関係構築するのも大変で面倒臭いし、探索コストを払ってまで知らない人とセックスしたいかというとそんなことはないので、セフレが出来ることなく今に至っています。

 

 

ここまでグダグダと書いてきましたが、簡単にまとめると「セックスレスでつらい!改善したいけど今のところ改善には至っていない!」って感じです。

セックスレス問題を解決した経験がある人がいたら、こっそりアドバイスください。切実に、よろしくお願いします。

 

それでは、また。

C94 コミケに行ってきた

どうも、ぱのこめです。

先週の金曜日から日曜日の三日間は『コミックマーケット(通称、コミケ)』がありました。Twitterなどで写真を見た人も多いのではないでしょうか。

また、土曜日にはコミケ以外にも『ブースト』と呼ばれるデブ専同人誌即売会もありました。

 

私は今週末にそれらの同人誌即売会で、知り合いの方のお手伝いで同人誌を販売するお手伝いをしてきました。今日はそのことについて書こうと思います。

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(朝8時の東京ビッグサイト前)

 

◎今回の同人誌即売会

私は土日の二日間に渡って、「三輪ビルヂング」というサークルのお手伝いをしていました。このサークルは20名くらいの作家さんが描いたオリジナル漫画を一冊の本にまとめて、それを頒布している団体です。

三輪ビルヂング (@mitsuwabldg) | Twitter

そのサークルの主催の方と知り合いで、コミケの時はいつも販売のお手伝いをしています。そして、今回はブーストという新しい同人誌即売会にも出展するということだったので、その両方をお手伝いしてきました。

 

この土日はめちゃくちゃ暑くて、しかも同人誌即売会は人口密度がすごく高くなって建物の中に熱気がこもるので、環境的には最悪な状態での販売でした。

ですが、即売会は毎回新しい人との出会いがあったり、今まで知らなかったかわいい漫画に出会えたりするので好きです。

特に今回はデブ専同人誌即売会という神イベントだったので、かわいい本がめちゃくちゃ多かったです。そのせいか、財布の紐が緩みっぱなしで大量に同人誌を買いました。

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(今回買った本、全部で40冊)

 

私は、漫画のキャラとしてはメガネかけたデブの子が好きなので、そういう子が出ている同人誌をたくさん買いました。(現実でもまあまあ好き)

あと、いわゆる「ケモノ」本もそこそこ買いました。これは今回出展したコミケ3日目がケモノジャンルの本を売っている日で、たまたま買いに行けたってのも大きいです。

コミケはジャンルごとに日にちが決まっているため、ゲイ向け本だとしてもジャンルによっては別の日になっちゃいます。人のゲイ本は2日目だけど、ケモノのゲイ本は3日目になるのが基本です。(ガチ勢は両方行く)

 

買い方は、目当てを決めていない状態で会場を見て回って、表紙で気に入ったものをその場で買うか、中身をぱらっと見せてもらって買うって感じです。昔は新刊チェックとかを事前にしていたのですが、最近はあまりしなくなっちゃいました。

本の内容は甘々セックスするエロ本と、ストーリーを練ってる本(だいたいはノンケに片思い系 or セクシュアリティ葛藤もの)、エッセイ本を主に好んで買います。あと、今回は買いませんでしたが、漫画だけじゃなくて小説本も買ったりします。

最近ではネットでもデータ販売している本が多いので読むだけならわざわざ会場に行って買う必要はないのですが、私は本を紙媒体で読むのが好きなのでついつい買っちゃいます。あとはコレクション的な意味合いも強いですし。

興味あるけど行ったことないって方は、ぜひ一度参戦してみてください!同人誌好きな人が増えてくれると私は非常に嬉しいです笑

 

◎飲み会で思ったこと

頒布のお手伝いをした後は、いつも打ち上げの飲み会に呼んでもらっています。そこでは有名な同人作家の方達から話を聞けるので結構好きです。

今回も飲み会を開いてもらって、そこで新しい作家さんと出会い、色々な話を聞くことが出来ました。とても楽しかったのですが、その過程でいくつか思ったことがありました。

 

まず第一に、オタクの人たちの作品に対する愛はマジでエゲツないと思いました。

飲み会では主に『セーラームーン』『魔法少女まどかマギカ』『エヴァンゲリオン』(全部有名なアニメ)の話をしていたのですが、知識量というか、その作品に対する愛によって生まれてくる会話の熱量が凄すぎて、ただただ圧倒されるばかりでした。

その場面に接したとき、「自分にはこんなに愛している作品とか語れるものってほとんど無いな」と思って、自分もそういうものに出会いたいと思いました。

 

第二に、自分がコミュニティ内で楽しむためには、ある程度はそのコミュニティに染まるのが大切だと改めて思いました。

上記のアニメの話は、聞いている分にはめちゃくちゃ楽しかったのですが、正直自分はあんまりついていけない話でした。他の人たちは共通の話題として盛り上がっていることに少し疎外感を感じつつも、どこのコミュニティにもこういう共通項みたいな話があるのだなと思いました。

これと同じ感覚を私はゲイコミュニティ内でも感じたことがあって、それが女性アーティストに関する会話です。典型的なゲイの人たちって女性アイドルだったりディーバ的な女性アーティストが好きだと思うんですけど(偏見)、自分は全く好きじゃないのでその手の話に全くついていけません。

昔ゲイの人たち6人くらいでカラオケに行った時に知らない曲をキャーキャー盛り上がって歌っていた時と同じような感覚をその飲み会でも感じました。コミュニケーションの潤滑剤としてテンプレ的な話題を会得しておくのは、自分の生きやすさを高めるためにも大切なのだと再認識しました。

 

第三に、飲み会で出会った人たちが持っているそれぞれの「大切なもの」に触れた結果、自分の価値観を揺るがされました。

その飲み会で一番年の近かった人は26歳の方で結構仲良く話したのですが、彼の話を聞いていると、彼は自分の絵につくTwitterのふぁぼ数と、自分のガタイの良さをすごく大切にしているということが分かりました。

自分の得意な分野に特化して他者から評価してもらいたいって気持ちはすごく良くわかるし、生きる上での戦略としては正しい選択だとは思うのですが、それを聞いた時に、こんなにも自分との価値観が違うのだと思って軽いショックを受けました。

 

その一方で、ある意味では、彼の持っている価値観は自分が選択しなかった別の可能性であり、自分の中にあるものではその価値観を肯定も否定も出来ないと思いました。そうしたら、自分が持ってる価値観とか、自分が大切にしているものって本当に大切なの?と思うようになり、頭の中がぐるぐるして現在に至ります。

なんか、自分とは全然違う考えの人がめちゃくちゃ堂々と生きてたら、自分の考えに自信無くなっちゃいませんか?今の自分はそんな感じです笑

もうすぐ就活が近くて色々将来のことを考えている身としては、彼のような価値観で生きていくという選択もあるということを知り、どうすればいいのかなぁ...って思いました。まあ簡単に言うと、大学では絶対出会えないようなロールモデル(?)に出会って、カルチャーショックを受けたって話ですね。

 

 

以上、楽しい反面、色々思うところのある飲み会でした。

この週末を振り返ると、全体的にはめちゃくちゃ疲れたけど、その分楽しい2日間になったんじゃないかと思います。あとはえっちな本もいっぱい手に入ったので良かったです。

夏休みもそろそろ折り返しになっちゃうので、そろそろ気合い入れていこうかなって思います!何を頑張るかはまだ未定ですが笑

 

それでは、また。

富士山を登った

どうも、ぱのこめです。

先週の土日に富士山を登ってきたので、今日はその話を書こうと思います。

 

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(登る前に5合目で撮った)

 

富士登山のキッカケ

母親が突然「富士山を登りたい」と言い出したのがキッカケです。今までに登ったことが無くて死ぬまでに一度は登頂したいと思っていたらしく、それを達成するために今回登ることが決まりました。

私は前からアウトドアが好きで、富士山を登ってみたいと思っていたので一緒に行くことにしました。あと、ちょうど仕事が夏休みだった姉も一緒に登りました。

 

今回、私はバスツアーを予約して行きました。土曜日の朝7時に新宿駅を発車して、12時前に富士山5合目に到着。その後は7時間弱かけて8合目の山小屋へ行き、5時間ほど仮眠をとりました。

次の日の午前1時に起きて山頂を目指して山小屋を出発して、4:50の日の出を見た後に下山しました。5合目に帰ってきたのは日曜日の午前11時でした。

 

◎登ってみた感想

初めて富士山を登って、本心から登って良かったと思いました。そう思った理由は二つあります。

 

第一に、富士山でしか見ることの出来ない景色を楽しむことが出来たからです。4000m弱の山に初心者が登って頂上で朝日を見るなんて、普通の山だとほとんど出来るところは無いと思います。少なくとも日本では無理ですしね。

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(頂上から見た景色)

 

これは富士山がとても整備されていて、観光地化しているから出来ることなんだと思います。実際、山小屋がとても多いので、足りない食料や雨具などはその場ですぐに購入することが出来ます(非常に高いですが)。

そういう意味では、「金さえあれば割となんでも解決できる」というのは富士山の魅力の一つのような気がします。普通の山では現地調達なんて出来ないですからね。

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(山小屋の様子)

 

第二に、登ってみて初めて分かることがたくさんあり、「百聞は一見に如かず」ということわざの正しさを改めて感じることが出来たからです。正直、想像していた「富士山」、「富士登山」とは全く違うものを体感しました。

特に、以下で話す二点については想像とのギャップ(しかもマイナス方向)が大きくて、それ故に私はもう二度と富士山には登りたくないと思いました。

 

◎二度と富士山は登りたくない

「もう二度と富士山には登りたくない」と私が思った理由は二つあります。

 

第一に、山の表面に木や植物が少なく、岩肌が見えるだけで山の景色が非常につまらないからです。

地質の問題なのか大気の問題なのかは分かりませんが、植物が全然ありません。私が今までに登った山には森があって、その中を森林浴しながら歩くのがほとんどでした。

今回も同じような想像をして行ったところ、そこらじゅう砂と岩だらけで、植物はほとんど生えていませんでした。なので、ひたすら荒れ果てた大地を上に進んで行く感じで、非常に辛かったです。

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(山の表面はこんな感じ)

 

第二に、仮眠をとる山小屋の一人当たりの布団面積が狭すぎて、全く眠れなかったからです。

自分が比較的横に大きめのということもあるのかもしれませんが、常に左右の人と肩が触れている状態でした。寝返りもうてないし、やたら小屋の中が暑い&乾燥してるしで、割と劣悪な環境でした。

もしかしたら、私の泊まった小屋がハズレだっただけで、他の小屋は割と広いスペースが確保されているのかもしれません。しかし、自分は結局2時間弱しか寝ることが出来ず、身体的に次の日がなかなか厳しかったので、そんな感じならもう登りたくないなって思いました。

山小屋に泊まる登山は今までにしたことが無かったので、具体的なイメージを持っていませんでした。しかし、今回の経験で割と懲りたので、今後も日帰りで行けるところしか行かないと思います。

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(山小屋の泊まるところ)

 

以上、富士山を登った感想でした。簡単にまとめると、以下の通りです。

①今までに富士山を登ったことの無い人にとっては良い経験になるから、絶対に一度は登った方がいいと思う。

②でも、私はいくつかの理由からもう二度と富士山は登りたくない。

 

私が今回登ってみて思ったのは「富士山は見るための山であって、登るための山ではない」ということです。山を登りたいだけならもっと魅力的な山はいくつもあるし、日の出が見たいだけならもっと綺麗に見れるところはあると思います。

登山の目的も人それぞれだとは思いますが、富士山はどちらかというと修行みたいな側面が強いと思いました。あとは、支払うコストに対して得られるベネフィットが少なくて、娯楽としては非常にコスパが悪いって感じがします。

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(頂上から見た御来光)

 

でもやっぱり、一度は富士山に登って、その自分の経験から賛否を主張できた方がいいのかなって気もします。そういう意味でも、一度は登ってみて欲しいです。

興味があったらしっかり下調べして、準備した上で行ってみてください。

 

それでは、また。

初めてゲイバーに行った

どうも、ぱのこめです。

一昨日、初めてゲイバーに行きました!今日はその感想を書きたいと思います。

 

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◎初めてのゲイバー

一昨日は、大学のセクマイサークルの仲間たちと6名で行きました。19時に新宿伊勢丹の交差点に集合して、タイ料理屋で時間を潰した後、21時からバーに乗り込んでいきました。

ちなみに、私はまっったく新宿2丁目のことは知らないので、サークルにいるベテラン(?)の方に案内していただきました。多分、2丁目に行くのは3回目くらいだと思います。日中に行ってカフェとかラーメンを食べたことはあるんですけど、バーは一回もありません。

 

1軒目に行ったのは「EAGLE TOKYO」というショットバーです。大きめな水槽があったり、青いライトが付いてたりと、海をイメージしているようなお店でした。

クラブイベントとかもやったりするらしく、たくさん人が入れそうな広々とした店内でした。月曜日ということもあってか客もそんなに多くなくて、ゆっくりサークルの人たちと話ができました。

なんか想像していたこじんまりとしたゲイバーとは全く違くて、どちらかというとイギリス風パブのHUBとかに似てる感じでした。ショットバーなのですぐに出て行く客も多かったり、あとは観光目的の外国の人とかも多かった気がします。

なんか全体的に、客同士で交流するってよりは仲間内で少しお酒を飲む場所って感じでした。ショットバーだし、まあそんなもんですよね。

 

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EAGLE TOKYOで22:30くらいまでいて、次の日用事があって早く帰る2人が離脱するタイミングで店を変えようということになりました。

 

そこで2軒目に行ったのは「インダルジ」というバーです。案内してくれたサークルの人が店子の人と仲が良いらしくて、その人がちょうど出勤する日だったので行こうということになりました。

入るとカウンターが8席、壁際にグループ席的なものが8席くらいある、想像通りというか、イメージしていた感じのゲイバーでした。そこは月曜日なのにもかかわらず結構お客さんがいて、ちょっとビックリしました。

グループ席についてサークルの人たちと話しつつ、時々店子の人が来てくれてお話ししつつ、といった感じでした。人が多くて混雑はしていたのですが、アットホームな雰囲気というか、割と居心地は良いお店だったと思います。

 

◎ゲイバーに行って思ったこと

ゲイバーに行って思ったことが主に3つあります。

 

① 期待してたのとは違った

私がゲイバーに対して抱いていたイメージは、ママとか店子さんと話しながら、メインはお客さん同士で交流して、仲良くなる場所みたいな感じでした。でも、他の人と交流みたいなことはなかったし、そもそもグループで行ったので、お店の人ともそんなに話すことはありませんでした。

やっぱり一人とか、多くても二人くらいの少人数で行かないと、ゲイバーの良さは味わえないんですかね...?個人的には、どうやって楽しむものなのか全然わかりませんでした。特に、友人と一緒に行くのなら居酒屋とそんなに変わらないのかなって気がします。

たしかに、普通の居酒屋よりはゲイトークを気兼ねなく出来るってメリットを感じる人もいるのかなと思いましたが、個人的には普段からそんなに気にならないので、特にメリットはないと思いました。

使い方として自分が思ったのは、一人暮らしを始めてなんとなく寂しい時に、喋り相手をふらっと見つけに行くとかはありそうだと思いました。でも、次に挙げる問題的に、この使い方もなかなか難しいのかなって気がします。

 

②居場所にするには根気が要りそう

多分、自分がゲイバーを楽しむためには、一つのお店に割と長く通って、店子やママと仲良くならないと難しいなと思いました。

正直、お店の人と楽しくたわいもない話をするには、距離感が微妙すぎましたね。そもそも、自分は知らない人と話したりするのがめっちゃ好き!ってタイプではないので、根本的にゲイバーというものが向いてないのかもしれません。

昔は出会いの場がバーにしかなくて、そこに通う強制力みたいなものがあったりしたのかもしれませんが、現代では出会い系アプリや様々なコミュニティで交流が可能なので、自分的には頑張って行こうという気にもならない可能性があるなあと思いました。

あと、グループで来てる人ばっかりで、一人で飲みに来ましたみたいな人は少なく、客同士の交流もなかなか厳しいのかなって少し思いました。これは根拠が自分の体験1つしかないですが、そうなると本当に店子さんとかママの人とどれだけ相性が良いかでバーに通うかどうかが決まるのかなって思いました。

 

③種類の多さは魅力

ここまでネガティブな内容をタラタラと書きましたが、バーにはたくさんの種類があって、その多様さは強い魅力になり得ると思いました。

案内してくれたサークルの人から話を聞いてみると、お店のママの方針や立地によって集まってくる客層(ステータス、年齢、ノリ、見た目など)が全然違うみたいです。

実際、新宿二丁目だけでも色々な種類のゲイバーが本当にたくさんあるし、東京だと主要駅ごとに点在しているという話も聞きました。新橋駅の近くにあるバーは落ち着いた感じのサラリーマンが多いって話を聞いて、ちょっとそこのお店は行きたくなりました(交流できるかは知らない)。

まあそんな感じで、たくさん種類があるのであれば一つくらい自分の気にいるお店が出来るかな?って期待が持てました。そもそもお酒がそんなに強くないので、行くかはわかりませんが。

でも、一つくらい行きつけのバーがあってもいいのかなって気はしました。サークルとかだと団体としての概念的な(?)居場所になりますが、ゲイバーなどは物理的な居場所として、何かあった時に逃げ込んだり出来る気がして。いつもそこにあるって安心感は割と大きいんじゃないかなって思います。

 

 

以上、はじめてゲイバーに行った感想としては、「色々期待しすぎた結果なんか思っていたのとは違ったけど、でもそこそこ魅力はあるし、通い慣れたら楽しそうだなー」って感じです。

正直、今の自分には必要ないなって思いましたが、社会人になって一人暮らしを始めたときに、もしも家の近くにゲイバーがあったら、ちょっとは通ってみようかなって思います。

 

それでは、また。

同性愛を扱った小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を読んだ感想

どうも、ぱのこめです。

今日はもうブログ書く気なかったんですけど、今読んでいた小説が最高だったので、読み終わってすぐの熱量で書こうと思いました。

今日は、『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(通称: カノホモ)という小説の感想を書きます。

 

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◎あらすじ

同性愛者であることを隠して日々を過ごす男子高校生・安藤純は、同級生の女の子・三浦紗枝がいわゆる腐女子であることを知り、彼女と急接近する。異性を愛し、子を成し、家庭を築きたい。世間が「ふつう」と呼ぶ幸せを手に入れたい。少年の切実な願いと少女の純粋な想いが交わるとき、そこに生まれるものは―純粋でねじくれた想いが胸を打つ青春小説。

 

ぜひ直接書籍を買って読んでほしいので、多くは書きませんが、基本クローゼットで、かつそこそこ“普通”でありたい願望のある私にとっては、心にクリティカルヒットする良い作品でした。主人公の気持ちに共感する部分は多くあります。

 

また、読み終えたときに、このタイトルは「ゲイ」では成り立たないなって思いました。意図的に「ホモ」という蔑称が使われているだろうし、実際この本を読んだ後では、この本のタイトルは「ホモ」が適当な作品だと思いました。

自己肯定出来ていて、分かりやすいプライド的な存在としての「ゲイ」ではなく、同性愛がコンプレックスで、嫌で、“治し”たくて、“普通”に女性を愛して、子供を産んで、幸せな家庭を築きたいと考えている「ホモ」の話です。

 

もちろん、「そもそも蔑称なのだから意図的にでも使うことは許されない」っていう意見も分かるので何とも言えませんが、でもその批判はあくまで表面的なものであって、この物語自体は「ホモ」が「ゲイ」になる物語なので、同性愛者を否定する意味で「ホモ」を使っているわけではありません。

また、この「ホモ」が「ゲイ」に変わるというのが、当事者にとっての変化だけでなく、当事者の周囲にいる非当事者にとっても変化が起こるというのが、この物語の最大の特徴なのかなって気がします。

 

まあ、詳しくは是非読んでほしいと思います。衝撃的なシーンもありますので。私は泣きました。

 

◎読んだ感想

読んでいてまず思ったのは、作者は絶対に当事者だろうなと思いました。実際、調べたら今年の5月末にカミングアウトしてました。

 

https://kakuyomu.jp/users/Mark_UN/news/1177354054886019005

 

読んでいて前半部分ですぐに思いました。なぜなら、自身のセクシュアリティを十分に受け入れられてなくて、不安定で未熟で自己防衛的で斜に構えてる絶妙なゲイ高校生のメンタリティを、上手に描写出来すぎているからです。これ、もしも非当事者でここまで書けたら逆にすげえなって思います。

この描写が、自分が高校生・大学入りたてで悩んでいた頃の自分と重なって、すごい胸にギュッときたんですよね。自分はこの主人公の気持ちを乗り越えて今に至っている(と自分では思っている)ので、今ではもう忘れてしまっている色んな当時抱えていた色んな気持ちがあるのですが、そういうのを良い意味でも悪い意味でも全部思い出させてくれました。

 

以上のように、私が思ったこの小説の良いところは、丁寧な心理描写とリアリティ、そして主人公に対する過去の自分の投影と共感がほぼ全てです。そして、実際にストーリーを追いながらそれを直接感じて欲しいと思うので、内容についてあまり触れる事が出来ません笑

あんなことやこんなことや、割と衝撃的なイベントなど、色々あるのですが、まあどれも現実的に起きておかしくないかなって感じの内容です。ストーリーの組み立ても良いと思ったし、文章自体も読みやすく、かと言って薄っぺらい会話の応酬に終始してるなんてことも全くありません。

 

一つだけどうしてもマイナスだと思った小説内であるイベントがあり、それだけは現実味がとても薄く、なんか高校生が勢いだけに任せてやりそうな雑な解決策というか、根本的な解決には何もなってないし、私は読んでいる最中に「この人何やってるの...?」って置いてけぼりになってしまいました。

そのイベントについてはマジで納得出来ていませんが、それを除けばすごく良い小説だなって思いました。

 

◎印象的だった文章、セリフ

最後に、読んでいて印象的だった文章を載せて終わりにしたいと思います。

 

「真に恐るべきは、人間を簡単にする肩書きが一つ増えることだ。」

「人間は、自分が理解出来るように世界を簡単にしてしまうものなのさ。そして分かったことにする。だけど本当のことなんて、誰にも分かりはしない。」

 

病気だと言ってくれ。

原因のある疾患なんだと、治療をすれば治る病なんだと言ってくれ。

その為なら僕は、この腕の一本ぐらい、捧げても構わない。

 

「同性愛なんか気にしないとか口では言ったって、実際に明かされたら気になるに決まっている。同性愛者はそれを分かっているから打ち明けないんだろう。なのに、聞こえのいいことばかり言うのは卑怯じゃないか。俺たちは認めている。お前らが勝手に隠しているだけ。そういう風に、責任逃れしたいだけじゃないか」

 

 

以上、本の感想と紹介でした。

 

こういう本を時々は読んで、ゲイであることを自己否定していた時の気持ちを思い出した方が良い気がしています。

その行為自体は、ある意味ではノスタルジーに浸るようなものなのですが、その一方で、初心だったり当時の辛かった記憶をいつまでも忘れずに思い出すという行動でもあります。

 

最近『生産性』発言にまつわる問題などが取り沙汰される中で、「自分は今ゲイとして幸せに生きているから支援はいらない。」っていう主張を見かけました。

これを見て、まあ確かに今の自分にも支援が必要かと言われるといらない気もするのですが(権利は欲しい)、でも一方で昔の自分は全然そんなことなかったなって思うし、過去の自分と同じように現在苦しんでいる人も絶対存在していると思います。

そんな過去に苦しんでいた自分を救うっていう視点を失わないためにも、過去の薄れた辛い思い出を時々掘り返してしみじみしつつ、改めて問題意識として自分の中で持ち続けられたらなって思います。

 

そんな感じで、『生産性』問題にも関心を持ちつつ、良い感じの同性愛苦悩青春小説を読みつつと、同性愛についてよく考える2、3日でした。久しぶりで、ちょっと楽しかったです笑

 

それでは、また。

いっぱい本を読んだ感想

どうも、ぱのこめです。

前回の記事を書いた次の日から体調を崩して、今日まで3日ほど寝込んでいました。だいぶ体調は良くなりましたがまだ熱は完全には下がっておらず、なかなかつらいです。

風邪のおかげで、友達と遊ぶ約束だったのを断ってしまったり、目標として掲げた毎日運動とかも達成できていなかったりと夏休みはじめから散々になってしまいました・・・。

 

一方で、久しぶりに家でゆっくりする時間が取れたので、多くの時間をYouTubeと読書に充てていました。

今日は、そんな中で読んだ本の感想を書こうと思います。6冊と結構量がある&どれも有名なものなので、1冊あたりの感想は短めで書こうと思います。

 

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鉄道員浅田次郎

1997年の直木賞を受賞した、短篇8作品が収録された小説です。

死や病や別れを乗り越えて夫婦や親子が心を通わせていく話が多く収録されており、ありきたりなストーリーな気もするけど、心温まる良い話が多かったです。ありきたりだと思う部分も実はこの小説が原点で、私が今までに読んだことある方が二番煎じなのかもしれません。

 

1997年刊行ということで文体が少し古かったり、「男は外で働いて女は家で帰りを待つ」的な旧来の価値観の上で物語が進められる部分が読んでいて少し気になりました。しかし、今とは違う時代に作られた古典小説だと思うと、そういう文化的な面はさほど気にならなくなり、人間に普遍的な感情みたいなところに共感しやすくなると私は思いました。

私は戦争小説が好きで結構読むのですが、その中で浅田次郎さんが書いた『終わらざる夏』という本を読んだことがあります。その時に文章の書き方が好きだなあと思い、同じ作者の本を読もうと思ったのがこの本を読んだきっかけです。

泣ける物語も多い(半分くらい泣いた)ので、しんみりしたい方へお勧めです!

 

◎凍りのくじら ー 辻村深月

あらすじは以下の通り。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすときーー。

 

全編を通してドラえもんの道具が(概念的に)出てきて、ドラえもんが好きな人は読んでて少し楽しいんじゃないかなって思います。ドラえもんの秘密道具なんて一つも知らないって人でも、もちろん楽しめる内容にはなっていますが。

 

内容としては、少し大人びてて、少し達観している高校生の主人公が、出会いや交流を通じて次のステップへ上がっていく、最近よくある感じのやつです。主人公に共感できる人はとても楽しめるんじゃないでしょうか。

私自身も結構楽しく読めましたが、多分高校生の時に読んだ方がもっと強く共感して感動していたような気がします。そういう意味では、私にとっては読むのが遅いもったいない作品でした。

 

この作者の作品は今までにいくつか読みましたが、リアリティのあるような、一方でファンタジーのような、自分としては不思議な作品だなあって思います。

文が全体的に長めですが、読みやすい文章で書かれているのですらっと読めると思うのでお勧めです。

 

夜のピクニック恩田陸

2005年の本屋大賞受賞作品。姉が恩田陸を好きで、お勧めされたので読んでみました。

あらすじは以下の通り。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにーー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。

早稲田大学で100キロハイクというイベントがあるというのを友人から聞いた時は、「そんなただ疲れるだけのくだらないイベントに参加するなんて、どうかしてるんじゃないか」と思っていましたが、これを読んだら、まあ少しは楽しいのかなって思うようになりました。

 

物語の中心には主人公が抱えている「秘密」があって、それを24時間ぶっ通しで行われる歩行祭の最中に解決を目指すというものなのですが、私個人としては、主人公の抱えている「秘密」がどれだけ大きなものかをイメージする事が出来ませんでした。

私が抱えている一番大きな「秘密」は「ゲイであること」なので、自分はそれと同じくらいなのかなあって漠然と考えながら読んでいましたが、主人公の立場が少し特殊なので、そこのところは少し共感しづらい微妙な感じだと思いました。

ですが、全体を通して読みやすく、きれいな文章が書かれているという印象でした。青春は高校生だけのものだなんて思いませんが、でも強烈な「青春感」を得られる作品でした。久しぶりに自分の高校生活を思い出したり、あのどうしようもなく不安定だった時期を思い出せてよかったです。

 

◎図書室の海 ー 恩田陸

夜のピクニック』と同じく、恩田陸さんの作品。ですが、こちらは短編小説です。これも姉に勧められて読みました。

色々な物語がありましたが、全体的にはミステリー風というか、ちょっと怖い雰囲気の物語が多かったです。『夜のピクニック』とは雰囲気が全然違くて、同じ作者なのに違う人の小説を読んでいるようで、続けて読んでよかったと思いました。

 

私はSF小説が結構好きなので、この本の中にある『オデュッセイア』という物語が好みでした。

これは、「ココロコ」という土地が自分の意志で動き、そこに住む人々や周囲の環境の変化によってさまざまな経験をするという物語です。「ココロコ」の心の声みたいなものが描かれるのですが、それが全部子供っぽい感想なのがすごくかわいくて、愛しく思えました。『ハウルの動く城』的なものをイメージして読んでいたのですが、短編の映像作品としてビジュアルが見たいとも思いました。

小説全体を通して、ミステリーが好きな人にはおすすめです。あと、短編小説が好きな人も満足できるとは思います。

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする七月隆文

あらすじは以下の通り。

京都の美大に通うぼくが一目ぼれした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像も出来なかった大きな秘密が隠されていてーー。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘く切ない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。

この小説は、ライトノベル作家がアイデア先行で書いた恋愛小説って感じです。(Wikipediaを見た感じでは、多分その通り)

イデア自体は面白いと思いましたが、タイムパラドックスの問題を全く解決できていないので、ただ純粋に切ない系恋愛小説として読むべきなんじゃないかと思います。また、面白いと思ったアイデア自体も実は昔の小説から持ってきているらしく、現代パロディらしいので少しがっかりしました。

文章の質としては低く、特に食事のシーンの味の伝え方がひどいと思いました。もちろん、景色の表現や人物の動作など、突っ込みどころはたくさんありますが・・・。

 

全体としては、内容は平易で会話中心の小説なのですごく読みやすいです。私は2時間で読めました。

ですが、私個人の感想としては、買って読む価値はあまりないかなって思います。もちろん、泣ける小説と高い評価をしている人もいるので、一見の価値はあると思いますが。物語の中心にあるアイデア自体は面白いと思うので、ネタバレサイトを読んでそれを知る感じでいいと個人的には思います。

 

かもめのジョナサンリチャード・バック

言わずと知れた名作(らしい)。母親が好きで勧めてきたので、中学生の時に読んだことがあったのですが、「当時は何言ってんだこいつ」と思って全然気に留めていませんでした。

読み返してみて、だいぶ難しい(というか深い)問題について書かれている小説なんだなと思いました。人生とは何か、自己実現とは何かみたいなところから始まって、哲学を語り、最終的には宗教誕生の一端のようなものを描く、という壮大なストーリーを、一話のカモメの成長に合わせて書かれています。

 

この物語が広く賞賛されていた時代が存在したことは理解できるし、おそらく今でも賛同する人は多いと思います。一方で、現代やこれから先は、この『かもめのジョナサン』の物語の一歩先をゆく必要があると思います。

そういう意味では、スタートラインになりうる作品なのかなって個人的には思いました。時代や私自身の年齢・立場・考え方によって感じ方が大きく変わる作品だと思ったので、また10年後くらいに思い出したら読み返したいなって思いました。

 

 

以上、読んだ6冊の本の感想でした。

もしどれかの本に興味を持っていただけたら、ぜひ買って読んでみてください。どれも読みやすい本だったので、すぐに読めると思います。

 

大学の授業期間中は小説を読む時間もあまり取れませんでしたが、夏休み中は積極的に読んでいきたいと思っています。

また面白い小説があったら記事として書きたいと思います。もし良かったらまた見てください。

 

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それでは、また。