ぱのこめの生活

20代のゲイ。主に、日々の生活や趣味などについて書きます。

ゲイ高校生の葛藤を描いた小説『BAD KIDS』

 

昨日は同性愛をテーマにした漫画について紹介したので、今日は同じようなテーマの小説を紹介したいと思います。

 

今回紹介する小説は、村山由佳さんの『BAD KIDS』です!

 

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◎『BAD KIDS』について

あらすじはこんな感じです。

 

20歳も年上のカメラマンとの関係に苦悩する都は高校の写真部長。彼女が絶好の被写体と狙いをつけた隆之は、ラグビー部の同性のチームメイトに秘かな恋心を抱いていた。傷つき悩みながら、互いにいたわりあうふたり。やがて、それぞれに決断の時を迎える。愛に悩み、性に惑いながらもひたむきに生きる18歳の、等身大の青春像をみずみずしいタッチで描く長編小説。

 

自分としては、このあらすじを読んだだけで本の内容がありありと思い出され、ほんと辛い気持ちになります...。

 

少し話が逸れるのですが、読んでいて涙を流せるような小説に出会うと、私はとても嬉しい気持ちになります!

小説などの媒体を介して物語に没入し、その上で涙を流すほど心を揺さぶられるって、芸術作品の醍醐味みたいなところがあると思うのです。

まあ自分はとても涙もろいので、人が死んじゃったりする作品は大体泣けるのですが....笑

 

実際、このブログを書くために、電車の中で読み直してみましたが、改めてボロ泣きしてしまいました。読むのはこれで5回目くらいのはずなんですけどね笑

自分にとっては、時々読み返したくなるような良い作品です。

 

 

◎『BAD KIDS』の良いところ

 

自分が思う『BAD KIDS』の良いところをいくつか挙げて行きたいと思います!

 

・主人公に共感できる

まず、自分がゲイだからだということもありますが、主人公の隆之にめちゃくちゃ共感できます!

『ノンケのことを好きになっちゃったけど、こんなこと誰にも言えないし...。でも自分の中だけで抑えているのももう無理だ。どうすればいいんだ!』みたいな心の葛藤がすごく丁寧に描かれていて、自分も同じような気持ちに苦しめられていた時期があったなあと思い出させてくれます。

 

あともう一人、都という女の子の主人公がいるのですが、こっちにもめちゃくちゃ共感出来てしまうのです...!

思春期に抱えがちな劣等感とどうやって接してくかとか、突発的な寂しさを埋めるために他人(身体)を求めちゃうとか、そんな自分と社会規範とのギャップに苛まれるとか、、

同じ道を実際に通ってきた人はもちろん、通ってきていない人でも、なんか分かってしまう。そんな葛藤を提供してくれます。

 

・さらっと読める

長編小説と書いてありますが、全然文量は多くないです。

しかも、内容自体は暗くて重苦しいものなのですが、文体がサラッとしているため、そんなに深刻な印象を受けません。

 

これを悪いところだと思う方ももちろんいると思いますが、自分としてはこれは良いところだと思います。

正直、この内容を丁寧に重々しく書かれたら心が参っちゃいますし、これくらいが丁度いいと私は思います。

この本はサラッと読めるけど内容はドロッとしてて、そこのギャップを共感と想像によって埋めるって感じなんですかね...?分からないですけど笑

 

・ラストシーン

小説の終盤では、今まで感情をため込んで隠してきた主人公が、我慢できなくなって感情を吐露するシーンが描かれています。

ネタバレになってしまうので詳しくは書けないですが、そのシーンがこの小説中で最も好きなシーンです!

 

我慢して、我慢して、一生懸命我慢してきたけど、どっかで限界がきてしまって、今まで積み重ねてきたものを全部ぶち壊したくなるような・・・

心の中ではダメだって思っているのに、その一方で全部吐き出して楽になりたい自分もいて・・・

こんな葛藤の末に行われる感情の吐露に、私は心を奪われてしまいました。

 

あとは、単純に共感もありますね笑

あー分かるぞ、その気持ち。。辛いよね。。ってなります。

 

 

◎高校生の頃の話

私が初めてこの本を読んだのは高校2年生のときでした。

インターネットで「同性愛 小説」と調べた時にNEVERまとめに入っていたのを見て、学校の図書館で借りて読んだのを覚えています。

 

当時は、クラスにめちゃめちゃ好きな男の子がいて、でも本人に言えるわけもなく・・・

悶々とした日々を過ごしている中でこの小説に出会い「この主人公、めっちゃ俺じゃん!」って思ってました。

結局、私は本人に伝える勇気なんてなくて、何事もないまま卒業してしまいましたが・・・

 

未だに彼がノンケなのかは判明していませんが、まあ言わなかったのは正しかったんじゃないかと、当時を振り返って思います。

もちろんそのせいで何度か強い葛藤とか、伝えたくてしょうがない瞬間とかはありましたけど・・・

それでも、当時伝えなかったおかげで、今もまだ連絡を取り合う程度には関係が繋がっているので、それを考えると良かったかなって思います!

ちょっとくらいギューとか、ボディタッチとかしておけばよかったかなって後悔もありますけど笑

 

 

以上、私が好きな小説『BAD KIDS』についてでした!

同性愛テーマの小説って最近全く読んでいなかったので、今回読んでみて、忘れかけてた新鮮な気持ちを思い出せたのは良かったです笑

BL小説とか買って読んでみても息抜きになって面白そうだなーって思いました!何か読んだら、また記事にしたいと思います。

 

それでは、また。