ぱのこめの生活

20代のゲイ。主に、日々の生活や趣味などについて書きます。

いっぱい本を読んだ感想

どうも、ぱのこめです。

前回の記事を書いた次の日から体調を崩して、今日まで3日ほど寝込んでいました。だいぶ体調は良くなりましたがまだ熱は完全には下がっておらず、なかなかつらいです。

風邪のおかげで、友達と遊ぶ約束だったのを断ってしまったり、目標として掲げた毎日運動とかも達成できていなかったりと夏休みはじめから散々になってしまいました・・・。

 

一方で、久しぶりに家でゆっくりする時間が取れたので、多くの時間をYouTubeと読書に充てていました。

今日は、そんな中で読んだ本の感想を書こうと思います。6冊と結構量がある&どれも有名なものなので、1冊あたりの感想は短めで書こうと思います。

 

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鉄道員浅田次郎

1997年の直木賞を受賞した、短篇8作品が収録された小説です。

死や病や別れを乗り越えて夫婦や親子が心を通わせていく話が多く収録されており、ありきたりなストーリーな気もするけど、心温まる良い話が多かったです。ありきたりだと思う部分も実はこの小説が原点で、私が今までに読んだことある方が二番煎じなのかもしれません。

 

1997年刊行ということで文体が少し古かったり、「男は外で働いて女は家で帰りを待つ」的な旧来の価値観の上で物語が進められる部分が読んでいて少し気になりました。しかし、今とは違う時代に作られた古典小説だと思うと、そういう文化的な面はさほど気にならなくなり、人間に普遍的な感情みたいなところに共感しやすくなると私は思いました。

私は戦争小説が好きで結構読むのですが、その中で浅田次郎さんが書いた『終わらざる夏』という本を読んだことがあります。その時に文章の書き方が好きだなあと思い、同じ作者の本を読もうと思ったのがこの本を読んだきっかけです。

泣ける物語も多い(半分くらい泣いた)ので、しんみりしたい方へお勧めです!

 

◎凍りのくじら ー 辻村深月

あらすじは以下の通り。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすときーー。

 

全編を通してドラえもんの道具が(概念的に)出てきて、ドラえもんが好きな人は読んでて少し楽しいんじゃないかなって思います。ドラえもんの秘密道具なんて一つも知らないって人でも、もちろん楽しめる内容にはなっていますが。

 

内容としては、少し大人びてて、少し達観している高校生の主人公が、出会いや交流を通じて次のステップへ上がっていく、最近よくある感じのやつです。主人公に共感できる人はとても楽しめるんじゃないでしょうか。

私自身も結構楽しく読めましたが、多分高校生の時に読んだ方がもっと強く共感して感動していたような気がします。そういう意味では、私にとっては読むのが遅いもったいない作品でした。

 

この作者の作品は今までにいくつか読みましたが、リアリティのあるような、一方でファンタジーのような、自分としては不思議な作品だなあって思います。

文が全体的に長めですが、読みやすい文章で書かれているのですらっと読めると思うのでお勧めです。

 

夜のピクニック恩田陸

2005年の本屋大賞受賞作品。姉が恩田陸を好きで、お勧めされたので読んでみました。

あらすじは以下の通り。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにーー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。

早稲田大学で100キロハイクというイベントがあるというのを友人から聞いた時は、「そんなただ疲れるだけのくだらないイベントに参加するなんて、どうかしてるんじゃないか」と思っていましたが、これを読んだら、まあ少しは楽しいのかなって思うようになりました。

 

物語の中心には主人公が抱えている「秘密」があって、それを24時間ぶっ通しで行われる歩行祭の最中に解決を目指すというものなのですが、私個人としては、主人公の抱えている「秘密」がどれだけ大きなものかをイメージする事が出来ませんでした。

私が抱えている一番大きな「秘密」は「ゲイであること」なので、自分はそれと同じくらいなのかなあって漠然と考えながら読んでいましたが、主人公の立場が少し特殊なので、そこのところは少し共感しづらい微妙な感じだと思いました。

ですが、全体を通して読みやすく、きれいな文章が書かれているという印象でした。青春は高校生だけのものだなんて思いませんが、でも強烈な「青春感」を得られる作品でした。久しぶりに自分の高校生活を思い出したり、あのどうしようもなく不安定だった時期を思い出せてよかったです。

 

◎図書室の海 ー 恩田陸

夜のピクニック』と同じく、恩田陸さんの作品。ですが、こちらは短編小説です。これも姉に勧められて読みました。

色々な物語がありましたが、全体的にはミステリー風というか、ちょっと怖い雰囲気の物語が多かったです。『夜のピクニック』とは雰囲気が全然違くて、同じ作者なのに違う人の小説を読んでいるようで、続けて読んでよかったと思いました。

 

私はSF小説が結構好きなので、この本の中にある『オデュッセイア』という物語が好みでした。

これは、「ココロコ」という土地が自分の意志で動き、そこに住む人々や周囲の環境の変化によってさまざまな経験をするという物語です。「ココロコ」の心の声みたいなものが描かれるのですが、それが全部子供っぽい感想なのがすごくかわいくて、愛しく思えました。『ハウルの動く城』的なものをイメージして読んでいたのですが、短編の映像作品としてビジュアルが見たいとも思いました。

小説全体を通して、ミステリーが好きな人にはおすすめです。あと、短編小説が好きな人も満足できるとは思います。

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする七月隆文

あらすじは以下の通り。

京都の美大に通うぼくが一目ぼれした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像も出来なかった大きな秘密が隠されていてーー。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘く切ない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。

この小説は、ライトノベル作家がアイデア先行で書いた恋愛小説って感じです。(Wikipediaを見た感じでは、多分その通り)

イデア自体は面白いと思いましたが、タイムパラドックスの問題を全く解決できていないので、ただ純粋に切ない系恋愛小説として読むべきなんじゃないかと思います。また、面白いと思ったアイデア自体も実は昔の小説から持ってきているらしく、現代パロディらしいので少しがっかりしました。

文章の質としては低く、特に食事のシーンの味の伝え方がひどいと思いました。もちろん、景色の表現や人物の動作など、突っ込みどころはたくさんありますが・・・。

 

全体としては、内容は平易で会話中心の小説なのですごく読みやすいです。私は2時間で読めました。

ですが、私個人の感想としては、買って読む価値はあまりないかなって思います。もちろん、泣ける小説と高い評価をしている人もいるので、一見の価値はあると思いますが。物語の中心にあるアイデア自体は面白いと思うので、ネタバレサイトを読んでそれを知る感じでいいと個人的には思います。

 

かもめのジョナサンリチャード・バック

言わずと知れた名作(らしい)。母親が好きで勧めてきたので、中学生の時に読んだことがあったのですが、「当時は何言ってんだこいつ」と思って全然気に留めていませんでした。

読み返してみて、だいぶ難しい(というか深い)問題について書かれている小説なんだなと思いました。人生とは何か、自己実現とは何かみたいなところから始まって、哲学を語り、最終的には宗教誕生の一端のようなものを描く、という壮大なストーリーを、一話のカモメの成長に合わせて書かれています。

 

この物語が広く賞賛されていた時代が存在したことは理解できるし、おそらく今でも賛同する人は多いと思います。一方で、現代やこれから先は、この『かもめのジョナサン』の物語の一歩先をゆく必要があると思います。

そういう意味では、スタートラインになりうる作品なのかなって個人的には思いました。時代や私自身の年齢・立場・考え方によって感じ方が大きく変わる作品だと思ったので、また10年後くらいに思い出したら読み返したいなって思いました。

 

 

以上、読んだ6冊の本の感想でした。

もしどれかの本に興味を持っていただけたら、ぜひ買って読んでみてください。どれも読みやすい本だったので、すぐに読めると思います。

 

大学の授業期間中は小説を読む時間もあまり取れませんでしたが、夏休み中は積極的に読んでいきたいと思っています。

また面白い小説があったら記事として書きたいと思います。もし良かったらまた見てください。

 

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それでは、また。